人事考課に役立つ管理職の「聞き出す」技術とは?部下の信頼を得る人事考課シートの書き方も解説!

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人事考課に役立つ管理職の「聞き出す」技術とは?部下の信頼を得る人事考課シートの書き方も解説!

2018年6月5日

大橋高広 メルマガ

管理職にとって、部下やチームメンバーの悩みや課題を聞き出し、職場改善に努めることは重要な職務です。

一方で、十分な管理職スキルの教育を受けてこなかった上司にとっては、見当違いの対策を行っていることも珍しくありません。

しかし、年度末が近づくと人事面談と通じて、人事考課を行われなければならず、部下と信頼関係を棄損させない人事考課の書き方に悩む管理職も多いのではないでしょうか。

部下の納得を得る人事考課は管理職の”聞き出す”技術が不可欠です。

今回は管理職に求められる”本当の”職場課題を部下から”聞き出す”技術を中心に解説し、管理職が実践すべき人事考課シートの具体的な書き方もご紹介します。

人事考課(評価)シートの記入は部下との信頼関係が大切

人事考課(評価)シートは、被評価者が会社や人事部、上司から実績や普段の働きぶりを評価してもらい、従業員自身の成長につなげるだけでなく、給与や昇進の判断材料としても活用されます。

評価期間に、設定した評価項目等を評価基準に基づき、達成できたか、どのように会社に貢献度があったか等を客観的に評価していきます。

一方で、一番最初に人事考課シートに記入するのは被評価者である部下やチームメンバーです。

この時に評価項目や被評価者自身による自己評価と、上司が考える評価項目や評価結果にズレが生じると、部下の不満を招きます。

人事考課シートを適切に運用するためにも、事前に「具体的にどんな仕事をし、どんなことを達成したら、目標達成とする」かを上司と部下で合意を取っておきます

どのように頑張っていたのか」「どのように結果を残せていたのか」を具体的な例を提示してフィードバックしないと被評価者には伝わりません。

基本となる「成果項目」と「行動項目」は必ず押さえておきましょう。

「成果項目」と「行動項目」とは

・「成果項目」とは:実績がどのくらい向上したかなど、数字の指標で記入できるもの
 上層部になればなるほど、成果項目(業績)などを重視します。

・「行動項目」とは:どのようなプロセスを経て実行に移したか等を記入できるもの
 新入社員や、年次が2~3年目の方は、行動項目をメインで見られる場合が多々あります。
 例えば、個人だけではなくチームで行動する姿勢等です。

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信頼関係を醸成する”聞き出す”技術とは?

部下の成長を促しつつ、良い評価・悪い評価に関係なく、部下の納得感と上司への信頼を得るには、評価者である管理職の”聞き出す”技術が不可欠です。

また、人事考課は期末の実績だけでなく、部下の普段の働きぶりを記録しておくことが大切です。定量評価だけでなく、定性評価にも部下の納得感を得ることで、人事考課に説得性を与え、部下とのコミュニケーションが円滑となります。

その上で普段から実施しておきたい施策のひとつが1on1ミーティングです。

ただ、あなたが、「がんばったんです」と言っても、上司もどう評価して言いかわかりません。

しかし、ただ話をするだけの1on1ミーティングは何の効果もありません。1on1ミーティングは上司が管理職スキルを持っていることによって、1on1ミーティングの効果が発揮します。

【"聞き出す"技術 その1】上司沈黙法

上司沈黙法とは、コーチングや傾聴といったノウハウではなく、「とにかく黙っている」方法です。

仕事ができる上司によくみられる特徴のひとつが、部下に対して、一方的に自分だけ話し続けてしまうという点が挙げられます。

部下の話の途中で「結論が先にわかってしまう」という頭の良さが裏目に出てしまい、部下は「話を聞いてもらえない」という不信感を生み出してしまいます。

また、悩みを相談しようとした部下は一方的に結論を押し付けられた印象を持つため、上司と部下との間に信頼関係は生まれません。

若手社員の多くは「とにかく話を聞いてほしい」という人が多く、信頼関係を構築するためにも上司はとにかく黙って聞き役に徹することが大切です。

【"聞き出す"技術 その2】面談時間無制限法

部下の課題や悩み、良い部分を聞き出すには、想定以上に時間がかかります。

1時間など限られた時間では、”部下の本音”は聞き出せないことをまず認識しましょう。

部下の本音を聞き出すためには、あえて時間制限を設けずに話を聞くことが効果的です。

時間をかけて問題を整理することで、目標達成の確度が高まり、部下自身の問題認識力の向上にもつながります。

手間暇を惜しみ、効率化を優先してしまうと結局新たな問題が生じる、定着しなくなります。また、人事考課においても部下の"本当の"課題を抽出できないため、上司の評価と部下の自己評価にズレが生じ、納得感・説得感を得にくくなります。

管理職に求められる”聞き出す”技術には他にも「コンセプト共有法」「ノンアルコール法」「社内アポイントメント法」などがあります。

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人事考課では評価面談の改善が不可欠

部下との信頼関係を構築し、部下の成長を後押しする人事考課をするためには、管理職の”聞き出す”技術に加えて、評価面談の改善が不可欠です。

評価面談では、評価基準に適合する「事実」確認に努めましょう。

日本人は自分の評価を主張したがらない割には「上司に頑張りをもっと評価してほしい」、「目立たないがしっかりと仕事をしている」などの期待を持ちがちです。

しかし、部下から積極的に自己評価をアピールしてもらわなければ、正しく評価はできません。

また、アピール力がある部下の方が良い評価をされがちになり、不公平感が生まれます。この点も考慮し、上司は「遠慮なく自分の実績をアピールしてほしい」ということをメンバー全員にしっかりと周知しましょう。

管理職は主観的ではなく、普段の働きぶりを記録して、人事考課の時期までに部下の行動事実を把握しておく必要があります。

人事考課で参考にしやすい部下の普段の行動とは

人事考課では、具体的な目標KPIに対して、数値や評価基準に基づいた客観的な評価が前提となります。

一方で、組織に対するエンゲージメントの向上や上司・部下との信頼関係の構築には定性評価も必要です。管理職である上司は普段から部下の働きぶりを観察し、「具体的な行動事実」を把握しておきましょう。

定性評価がしやすい具体的な行動事実をご紹介します。

後輩の指導・研修

新人の育成だけでなく、後輩についての指導も組織への貢献のひとつです。人材が育つことはひいては長期的な組織の成長へとつながります。後輩へのさまざまなサポート(同行や実務処理)や、マネジメントを具体的な行動事実として記録しておくとよいでしょう。

自己学習

仕事に関わるもので、時間外に取り組んでいるものや、今の部署ではなく、今後希望する部署に関係する資格に取り組んでいる等、1on1ミーティングで実施内容や進捗を確認して、具体的な行動に対する評価を記録しておくとよいでしょう。

 

管理職による人事考課シートの記入例

上司と部下との信頼関係を構築し、部下の納得感を得るためには、上司による人事評価シートの記入が重要です。今回はわかりやすくするために営業職と営業事務職を絞って、どのように人事考課シートに反映させていくか、ご紹介します。

営業職の場合

良い例

今期の売上は惜しくも過去最高比98%に留まったが、綿密なホウレンソウを欠かさず、過去最高比以上の成果につながる働きぶりが確認できた
また、営業事務と積極的にコミュニケーションを取り、自分が注力すべき業務を整理し、1on1ミーティングでも具体的な仕事内容を確認できた
日々コミュニケーションを取り、訪問先の販売情報の共有を行い、自主的な勉強会の実施や後輩社員の人材育成も力を入れていた。
今後も努力を務め、来期は過去最高比を達成できる十分な道筋をできたと評価している。

過去最高比を基に目標設定を行い、数値による評価を実施しつつも、具体的な普段の働きぶりを人事評価に反映し、来期の目標達成を促している

悪い例

今期は昨年対比を下回り、具体的な成果を出せずにいた。
普段から努力する姿勢は認めつつも、面談などで自分から課題や悩みなどを打ち出せず、もっと行動力が必要と感じる。
一方で、コミュニケーション力は上がっており、以前よりも成長した姿を見られた。
来期こそ目標達成を目指し、営業能力の強化に努めていただきたい。

過去最高の実績に近い成果を出していたかもしれないのに昨年対比により、未達と評価。具体的な行動を示せておらず、良い点も悪い点も説得性に欠けており、具体的などんな能力を強化すればいいか曖昧になっている

営業事務職の場合

良い例

担当している営業担当者の時間外労働時間〇%削減し、見積書作成数も目標だった〇件を超えて、組織の売上目標に貢献した。
普段より会議内でも積極的に事務手続きの改善のアイディアを発案し、実現にこぎつけた。
営業担当者と積極的にコミュニケーションを行い、短期納品であった〇〇案件も納期に間に合わせ、今期の売上計上に貢献した。

営業担当者の負担軽減や営業事務業務の成果を具体的な数値で評価し、普段の働きぶりを評価する際も具体的な案件名を取り上げ、組織に対するエンゲージメント向上を評価する人事考課になっている

悪い例

前期と変わらず、着実に仕事をこなすことに邁進している。
日頃から整理・整頓・清掃を実施し、ミスを防ぐように普段から気をつけている。
来期も課で貢献できるように邁進していただくように期待する。

具体的なKPIが設定されず、5Sをも目標設定にしているため、人事考課が曖昧である。普段の具体的な働きぶりが記録されておらず、組織エンゲージメントの向上を促せていない

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従業員が自分の人事考課に納得感を得てもらうためには、管理職と部下・チームメンバーとの間に信頼関係を構築することが不可欠です。

しかし、前述の通り、現在の管理職は管理職としてのスキルアップを十分にされないまま、管理職に昇進していった方が多いといえます。

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部下との信頼関係の構築方法や部下とのコミュニケーション方法に不安な方はぜひ参考にしてみてください。

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人事考課に役立つ管理職の「聞き出す」技術:まとめ

上司と部下との間に信頼関係が醸成されていれば、人事考課のミスマッチは起きず、成果を出せる社員の創出につながります。

一方で、今まで管理職として十分な教育を受けてこなかった上司は、会社の支援だけでなく、自分自身で管理職スキルを向上させていかなくてはなりません。

管理職が不利になりやすい時代だからこそ管理職スキルを高めていくことで、会社や部下・チームメンバーにとって必要不可欠な優秀な人材として活躍できます。

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  • この記事を書いた人

大橋 高広

株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長|人事コンサルタント・ビジネス作家|『人事評価制度の設計と運営』を軸に、『組織文化形成・管理職育成・職場改善』など人事全般に関するサポートを提供|ポリシーは現場のスタッフの皆さまとの対話を大切にすること|著書重版|現状維持は衰退|プラス思考の方と互いに高め合っていきたい

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