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人事コラム

社員の大量退職を防ぐには「上司を鍛える」ことが先決な理由

新入社員が入社後、一人辞め出すと、どんどんドミノ倒しのように退職を申し出てしまった・・・。

社員の大量退職は上司である管理職の責任とされやすい一方で、日本の職場にはリーダーシップがある上司は少ないため、「上司を鍛える」方向転換が望ましいです。

今回は、社員がある日突然大量に退職してしまった原因を教訓に、上司としてどのような役割を果たすべきかを解説します。

人事会議の開催よりも「上司を鍛える」

大量退職は、複数ある職場の人的課題が原因とされます。

しかし、こうした現場の人的課題は人事会議による解決は難易度が高く、上司の管理職能力を高めた方が効果が高いといえます。

大量会議のほとんどは、コミュニケーション不足と管理職の誤った思い込みです。

大量退職が発生した職場でも管理職である上司の「コミュニケーションはとれている」、「新入社員が辞めることは、よくあることだと思っていた」という誤った思い込みが現場の課題に気付けなかった大きな要因としてよく指摘されます。

しかし、近年の労務関連の法改正(時間外労働時間の上限規制)により、上司による部下のマネジメントや社員教育は限界に到達しており、自分自身のリーダーシップを向上させる時間もなかなか確保できません。

このような課題を打開するためにも、管理職である上司には「仕事を明確に定義し、その仕事を遂行できる」ように上司を鍛える必要があります。

上司を鍛える上でのポイント

  • 職場の問題を「聞き出す」技術
  • 職場の問題を「共有する」技術
  • 職場の問題を「改善する」技術

職場の問題を「聞き出す」技術

上司が部下から職場の問題を聞き出す技術のひとつに「上司沈黙法」があります

仕事ができる上司に限って、部下に対して一方的に自分だけが話し続ける傾向があります。

そのため、上司は「話し役」より「聞き役」に徹することが大切です。部下の話の途中で「結論先にがわかってしまう」場合でも上司は質問だけをして、「自分の話を聞いてほしい」という部下のニーズを満たすことで、本音を聞き出すことができます。

職場の問題を「共有する」技術

上司が会社に問題を報告しにくい要因は3つあります。

  • 報告したら怒られる
  • 低評価をつけられる
  • 事実をゆがめられる

多くの企業では、上司に責任のすべてが押しつけられます。そのため、現場に問題があったとしても「怒られる」、「自分が低っ評価をつけられる」、「事実がゆがめられる」などの恐怖が先立ち、現場を見て見ぬふりをする上司を量産してしまいます。

そのため、会社としても上司にこうした感情を持たせないように工夫することが求められます。

職場の問題を「改善する」技術

上司が職場の問題を改善したいと思った時、効果の高い方法が存在します。

それが「やめる業務」です。

業務改善の手始めは「排除」から始めることが大切であり、まずは「辞められる業務」を徹底的に洗い出し、辞めることを決断します。

最初から簡素化に取り組もうとしても、逆に仕事が増えてしまい、現場社員が疲弊してしまい、挫折する可能性が高まります。

また、逆に社員の退職を促してしまう危険性もあるため、まずは社員の負担を減らすためにも「やめる業務」を見極めることが大切です。

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上司の人事評価能力を向上させる

直属の上司がどんなに退職する社員に「なぜ辞めるんだ」と聞いても、本音を話してもらえない場合があります。

また、「円満に退社したい」「理解してもらえない」という気持ちが多い一方で、辞めるにあたって本当の理由は会社にとって改善すべき理由(例えば、「給料が低い」「人間関係」「評価が適切ではない」)が含まれている場合が多々あります。

このように、退職していく部下の本音が聞けないのは、上司と部下との間に信頼関係が築かれていないことに起因します。

上司と部下の信頼関係の構築は、適切な人事評価の実施が不可欠です。

信頼を得るための適切な人事評価のポイント

  • 部下の行動を的確に把握・記録し、人事評価に説得性を持たせる
  • ブラス評価とマイナス評価のバランスを取る
  • 評価基準が曖昧な場合、上司と部下で評価基準の合意を取る

このように部下との信頼関係を構築した人事評価を通じて、社員が辞める本当の理由を抽出し、組織内部の改善につなげるためにも、管理職である上司の管理職能力向上が不可欠です。

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上司の境遇を考えることも大切

社員の大量退職は、上司のマネジメント能力不足ですが、一方的に管理職である上司のせいにするのも望ましくありません。

近年の時間外労働の上限規制に伴い、「若手社員は早く帰り、ベテランの管理職が遅くまで残る」という矛盾が発生しています。

そのため、上司には部下を育てる余裕も問題を把握・改善する余力も残っていません。

企業は若手社員の教育と人事システムの導入には投資しますが、管理職の教育には投資しません。

こうした、上司である管理職の現状を会社として把握し、管理職のサポートを行うことも大切です。

管理職全員が適切な人事評価をできるわけではない

管理職全員が適切な人事評価をできるわけではない

管理職の仕事は部下の育成だけでなく、人事評価も重要な仕事です。

人事評価スキルはマネジメントスキルの中でもとても難しいといわれています。

しかしながら、被評価者である部下の日常を観察し、正しく評価することができれば、「仕事」として、未然に部下の行動や不調にきづくことができる管理職は少ないといえます。

多くの企業は人事評価制度を導入し、各管理職に丸投げしている場合が多く、その人事評価が正しいかどうかをチェックしている企業は少ないといえます。

そのため、上司(管理職)を鍛えた上で、人事会議を開催しましょう。

どこの会社でも営業会議は開催されるのに、人事会議を開催している会社は、ほとんどありません。

しかし、数値化しにくい課題が多くあるため、月に一度は社長や経営幹部、人事担当者、評価者(上司)が集まり、人事会議を開催することが必要です。

また、人事会議は上司のアウトプット強化の場として、管理職(評価者)教育の場としても活用できます。

上司の「職場の問題を聞き出す・共有する・改善する」という技術を鍛え上げた上で、現場の実態を確認する仕組みを構築することが、大量退職を防ぐ鍵にもなります。

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社員の大量退職を防ぐ:まとめ

退職者の中には、本当に会社の理念に合わないのでやめる方が一定数存在します。

しかし、「人間関係」や「労務面」を理由に会社を辞める方が多いのも事実です。

退職者は「円満に退職したい」という思いからなかなか本音をいうことはありません。

上司と部下の間に信頼関係を構築し、社員の本音をくみ取って会社の改善につなげるためには、管理職として上司を鍛える他ありません。

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大橋 高広

株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長|人事コンサルタント・ビジネス作家|東洋経済オンライン記事投稿・日本経済新聞での書籍紹介│新刊『リーダーシップがなくてもできる職場の問題30の解決法』(日本実業出版社)Amazonランキング「マネジメント・人材管理」6位│その他著書『バカはブラック企業に入りなさい』(徳間書店)、『人事部のつくり方』(主婦の友社)│人事制度の設計と運用・管理職研修・職場改善研修・新卒研修・若手社員研修など「人事評価制度の設計と運営」を軸に、「組織文化形成・管理職育成・職場改善」など人事全般に関するサポートを提供

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