従業員教育の考え方。ダメなOJTはこれだ!

従業員教育の考え方。ダメなOJTはこれだ!

みなさんの会社では従業員教育はどのようにされていますか。
そして機能していますか。

OJTはとても重要で、会社にとっての資産である「ヒト」を戦力として活躍してもらうための力をいれるべき方法です。
事例を交えつつ、OJTの注意点をご紹介したいと思います。

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OJTとは

”OJT(On-The-Job Training)”とは、実際の現場において、業務を通して上司や課の先輩社員が1~3年目の指導を行う、主に新入社員育成のための教育訓練のことをいいます。

ダメなOJTの事例

では、ここである会社で起こったOJTが機能しなかった事例をご紹介します。

ある上場会社に入ったAさん(20代)、彼女は会計の修士号を持っており、人事部は彼女に今後の有価証券報告書など株主総会に必要な書類などを作るメインポジションを任せたく採用しました。

Aさんもその分野とその業務自体に興味があり、入社。

人事部は専門職であるため、OJTをすべて、財務部門のC部長の課に任せることにしました。

ところが、何か月たっても彼女がその仕事を携わることができませんでした。
そして彼女は退職を希望し始めました。

なぜでしょうか。

実は、技能継承がうまくされず、人事が求めるOJTを受けさせることができなかったのです。
現在、その財務部門で、長年メインで担当しているBさん(40代)は、Aさんが入社してきたことにより、自分のポジションを奪われると思い、教えることを全くしなかったのです。

またその部署の上司であるCは、Bさんにその気持ちがあるのをよくわかっており、波風を絶たせたくないという観点から、Aさんに別の仕事をお願いしていました。

C部長はOJTを課として任されていたため、課の仕事の中でOJTできそうなものを探し、Aさんに仕事を割り振りしていました。人事部はその状況を把握していませんでした。

このケースの問題点はなんでしょうか。

本来、育成の仕事は人事部ではありますが、実務に関しては、課など職場単位でOJTをするほうが効率であるということ間違いではありません。

しかし、人事部とAさんが所属した部署の中で認識がづれていた可能性があります。

人事部とC部長のコミュニケ―ションがとれていなかったことがまずあげられます。

また、OJTに関して、人事部がC部長の課に丸投げしてしまったことに原因があるといえます。

ダメなOJTをどう改善すれば良いのか

ではどのように改善すればいいのでしょうか。

育成計画を立てること

「見て覚えなさい」や「とりあえず、これをしていて」などその場の状況化で無計画に育成しても、人が育つわけはありません。

成長の階段をスモールステップで上がっていくのが非常に大事です。

人事部運用している等級制度は、格付けするものであると同時に従業員の目指すべき成長の基準となります。

それにそってOJTも決めていき、現場の運用責任者である管理職に共有するのが大事です。

人材育成は「仕事」であること

技能承継が進まないという声を耳にします。

ボトルネックはどこにあるのでしょうか。

ベテラン社員は「熟練の技能」と「決裁の権限」を持ち合わしています。

ベテラン社員にしてみれば、自分がいないと会社が回らないという既得権益を大事にしている方もおり、タダで技術を教えて、自身のポジションが脅かされるのを気にしているかと思います。

さてどのように解決するべきでしょうか。

人材育成、技能継承自体を「仕事」にする必要があるということです。

この仕事自体の成果を評価することで、メリットをもたせるべきでしょう。

ベテラン社員の指導が必ずしもうまいわけではないということを知ること

ベテラン社員はその実務としてのプロであることはいうまでもありませんが、教えるプロではありません。

どのようにしてほしいなど、育成をメインで行う人事部がきちんと育成計画や方法などを伝えてあげるとよりいいですし、また、人材育成をするためには、人に教える技術を習得させておく必要があるでしょう。

育成の中には、企業文化や理念を伝える機会も設けておく

先ほど登場したAさんは、その業務に興味があり入社しました。

しかし、OTJのこともあり、希望した業務につくことができず退職を希望しています。

もちろん、Aさんの考えも理解できますが、会社の理念や文化を知ってもらう機会など、ベーシックなことを伝える機会を人事部が儲けていれば、業務以外で会社に残りたいという思いを持ってもらえ、引き留めをすることもできたかもしれません。

会社の風土や文化、理念を知り、所属意識を持たせるためにも、全体の従業員研修は人事部が計画もしくは運営したほうがよりいいでしょう。

まとめ

人事部は、等級制度などを使用しながら、人材育成計画を作ることはとても大事です。

そして、現場で従業員教育(OJT等)がキチンと機能しているかを心がける必要があります。

また、評価制度を使い、技能継承をする社員や管理職には人材育成の成果に対し、評価をしましょう。

人事で損する『企業』と『人』をなくしたい

会社にとって、莫大な利益流出につながる『採用費』。実は職場が良くなれば、採用には困りません。職場の良さを発信するだけで人は集まります。リファーラル採用(口コミ)もできます。さらにスタッフも定着します。だからこそ、いつまでも利益を採用費に垂れ流すのではなく、人事に取り組んで、良い会社をつくって欲しい。そう考えています。

スタッフにとって、キャリアアップは重要な課題です。そのために、さらに『実務スキル』をきわめていこうとする方が多いです。しかし、一定レベルまで昇格すると頭打ちします。それは、部下を育てたり、チームの成果を上げるという『マネジメントスキル』が不足しているからです。皆様にはぜひマネジメントスキルを身につけていただき、さらに活躍の幅が広げて欲しい。そう願っています。

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ABOUT US
大橋 高広
株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長|人事コンサルタント・研修講師|東洋経済オンライン記事投稿・日本経済新聞での書籍紹介│新刊『リーダーシップがなくてもできる職場の問題30の解決法』(日本実業出版社)Amazonランキング「マネジメント・人材管理」6位│その他著書『バカはブラック企業に入りなさい』(徳間書店)、『人事部のつくり方』(主婦の友社)│人事制度の設計と運用・管理職研修・職場改善研修・新卒研修・若手社員研修など「人事評価制度の設計と運営」を軸に、「組織文化形成・管理職育成・職場改善」など人事全般に関するサポートを提供