人事コラム

組織変革で考える!今話題のティール組織はなぜ生まれたのか

「ティール組織」を聞いたことはありますか。
組織運営の手法として最近注目されています。

実際どのようなものなのか、それを理解するために、ティール組織に移行するまでの変遷を見ていきたいと思います。
今回は、「組織変革で考える!今話題のティール組織はなぜ生まれたのか?」を考えていきたいと思います。

ティール組織とは

今話題のこの本はみなさんご存知でしょうか。

[フレデリック・ラルー, 嘉村賢州]のティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
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2018年1月に英治出版から発売されている「ティール組織」です。
2014年、フレデリック・ラルーの「Reinventing Organizations」で紹介されている概念です。
フレデリック氏は、マッキンゼーで10年以上組織変革PJに携わった人物です。

端的にいうと、経営陣や上司など、ハイポジションからの指示で動くのではなく、個々の存在目的に合わせて動きだす組織です。
ティール組織は、1)セルフマネジメント(存在目的) 2)ホールネス(全体性) 3)存在目的 の3つから成り立っています。

ティール組織の3つのブレークスルーとは

ティール組織に移行する際に突破口となった3つの中心的な考え方を紹介します。

1)セルフマネジメント

組織の大小限らず、階層や合意に頼らず(職場の仲間を権力者とそれ以外で分けるような形を取らない)に、仲間との関係性の中で動く自主性を重視するシステム。
ティール組織の職場とは、自分らしさを失わずに楽しく振る舞え、有意義な目的を目ぜしながら仲間意識をはぐくめる場所だと考えられています。

2)ホールネス

普段の生活と、会社にいる自分を切り分けて生活するのをやめ、普段の自分をさらけ出して職場にいようという気にさせる一貫した慣行を実施します。
自身を職場と家で切り離さずに職場に持ち込むことで可能性や創造性、情熱を職場に生かせることになると考えられています。

3)存在目的

統制するわけでなく、組織の将来どうなりたいか、どのような目的を達成したいのかを理解する。

ティール組織はどのように進化していったのか

そもそもティール組織になるまでには、組織の進化の過程があります。
人は、新たな発達ステージに意識が行くことで、社会、経済、宗教などを生み出してきました。
それと同時に、人々の協力体制にも変革が起こり、新しい組織モデルが生まれていったのです。
組織の変革を理解するとティール組織がより一層理解し、また比較ができます。

1)受動的パラダイム 無色

時代は紀元前10万年前から5万年頃で血縁関係中心の組織。
10人程度、「自己と他者」と「自己と環境」の区別がなく、組織モデルのようなものはありません。

2)神秘的パラダイム マゼンタ

時代は約1万5千年前、数百人の人々で構成される部族へ拡大、「自己と他者」との区別は始まるが世界の中心は自分。
ほとんどの人は「今」を生きているため、将来を見通す力もないく、物事の因果関係への理解が不十分な状態。組織もまだ形成されていません。

3)衝動的パラダイム Red組織

現代のマフィアやギャングのような組織。

時代は、今から1万年前、組織生活の最初の形態ができたころで、数百人から数万人規模へに拡大。
労働分担と指揮権限による、恐怖と服従の支配であり、全体として正式な階級や役職も存在しません。
自己と他者の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立していました。

このような組織は、戦闘地域、内乱、破綻国家、刑務所等、敵対的な環境に適しています。

4)順応型パラダイム Amber組織

現代の教会や軍隊、行政機関など公的機関。

フォーマルな役割を持たせ、長期的にどう運営するかを考えています。
時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能になりました。
そのため、部族社会から農業、国家、文明、官僚制の時代へ発展を遂げました。

衝動型組織に見られた自己中心主義は、順応型では自民族中心主義へ変化し、規則、規律、規範による階層構造が誕生したため、社会階級と厳格な男女差別等が生まれました。

そのため、経営は結果を出すため、命令と統制に依存し、イノベーション、批判的思考、自己表現は求められないし認められない組織になった。

順応型の特徴:1)長期視点 2)規模と安定(フォーマルな階級)

5)達成型パラダイム Orange組織

現代の多国籍企業(ナイキやウォールマート)や市民主導の公立学校。

意思決定が、倫理から有効性に変化しました。
今までの組織では「正しいか」「間違っているか」の絶対的指標が、「他のものよりもうまくいく」という相対的へと変化したのです。

この考え方、組織が生まれてから、ルネサンスのような、科学技術の発展とイノベーション、起業家精神の時代へ突入しました。

達成型組織では、世界を中心に物事を考える可能性が生まれたのです。
ただ、この組織は、自分で定めた目標達成に何をすべきかを考えることに夢中になり、「未来」が中心となり、今を振り返ろうとはしません。
他の組織から違う次元に進んだのは、「イノベーション」「説明責任」「実力主義」が生まれたからです。

ここで注目するべきは、順応型のような階級と地位がその人自身と「みなされる」傾向は弱くなるが一方で、人々は仕事用の仮面をかぶるようになりました。
人となりは地位と融合はされないものの、「有能で成功するか」「昇進はどうか」という見かけで判断されるようになったためです。

組織の特徴:1)イノベーション 2)説明責任 3)実力主義

6)多元型パラダイム Green組織

現代の文化重視組織、本書で取り上げられている組織として、サウスウエスト航空やベン&ジェリーズ等があげられます。

この組織の根底にあるのが「人生には成功か失敗か以上の意味がある」という考え方である。

達成型パラダイムによる物質主義、社会的不平等、コミュニティーの喪失をカバーすべくこの組織ができました。
多元型組織は感情を優先し、あらゆる考え方は公平であるべきと考えられました。

18世紀後半から、奴隷廃止や女性解放、政教分離、民主主義を唱え始めたのには、このパラダイムが起こったためです。
これは、ボトムアップの意思決定であり多数のステークホルダーを巻き込んが組織だからです。
そのため、多元的組織では、リーダーは自分が率いる人たちのために奉仕すべきだと考えられています。

ただし、この組織は公平性を重視するあまり、それを悪用してアイディアを提案してきたときに対応できません。
よって、この組織は古い構造を壊すには協力的な力を発揮するが実践的な対案を作るのにはきわめて弱いと考えられています。

組織の特徴:1)権限の委譲 2)価値観を重視する文化と心を揺さぶるような存在目的 3)多数のステークホルダーの視点を生かす

7)進化型パラダイム Teal組織

変化の激しい時代における生命体組織の時代へ。
自主経営(セルフマネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行。

自身の承認欲求を組織や地位で満たそうとせず、自身のエゴを切り離せるようになるとティール組織へ移行されます。
エゴを切り離せないでいると「他の人は何を考えているのか」と判断が左右されてしまいます。

今までの組織の判断基準は、
衝動型では「自分の欲しいものを獲得できるか」
順応型では、「社会の規範への順応度」
達成型では、「効果と成功」
多元型では、「帰属意識と調和」でした。

ティール組織では、「私は判断をするにあたり正直になっているか」「自分はこの世界に役に立っているか」「自分がなりたいと思っている理想の人物は同じように考えるだろうか」といった意思決定の基準が外的要因から内的要因へ変化していきます。
よって、ティール組織を実践している人は、「大志を抱いているが、野心的ではない人」と紹介されます。

ティール組織の特徴:1)セルフマネジメント 2)ホールネス 3)存在目的

ティール組織を有効に活用する方法とは

実際にすべてが実行されている組織はあるのでしょうか。
私がこの本を読んだ時、理想だけで運用は難しいのではないかと感じました。
いくら現場で実践しようと思っても、経営陣が「ティール組織」を理解しないとできないのが現状です。

なので、「ティール組織」の考え方の3つのブレイクスルーのうち1つでも実行してみるもしくは、プロジェクトベースで運用実績を作ってみるというのが、現実的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ティール組織は全世界で12言語に翻訳され新しい組織の概念として注目されています。
しかしながら、ティール組織の中核を担っている3つの要素をすべて含んだ事例は少ないのが現状です。
ぜひ、この組織概念をご理解いただいて、ぜひ実践してみてください。

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大橋 高広

大橋 高広

株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長|人事コンサルタント・社外人事部長&社外CHRO・ビジネス作家|あなたの会社の採用・育成・定着を強くする人事のプロ|人事評価制度と面談が得意|最近はブランディングとマーケティングのご相談も急増中|著書重版|現状維持は衰退|プラス思考の方と互いに高め合っていきたい|新刊執筆中

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